ここでは、「ソフトウェア」としてのエクセルの数式や関数に、バグ(間違った計算法)をできるだけ早いうちに取り除き、信頼のおけるワークシートにする方法をご紹介します。
◆対策1ー関数や数式を作る「目的」をはっきりさせる
- 要求分析
自分が一体「どんなことをエクセルで実現したいのか」を、誰にでもわかるような言葉で書く。入力は何で出力は何かをはっきりさせる。表現上専門用語が必要であれば、その意味を文書末に書いておく。
- テストデータの作成
業務にあわせ、普通のケース、例外のケース、エラーとしてはねられるケースなどのテスト用のデータを「他人に」作ってもらう。期待する結果も合わせて書いてもらう。
- 詳細設計
どういう数式と関数をつくるのかを、実際の関数を文書にまぜ、入力から出力に至るまでのプロセスを文書にまとめる。
◆対策2ーワークシートの品質を向上させる
- コード作成
数式と関数を実際に書く。
- テスト
テストデータを使い、テストに通るかどうか調べる。テスト結果が思わしくない場合は、修正し、またテストを繰り返す。
- レビュー
問題点を見つける能力のある人を集め、業務面、システム面、法律面から数式の入ったワークシートを見てもらう。エラーや問題が発見されたら、文書化して問題点リストとして、修正の資料にする。原則として、見てもらう人の中に数式作成者の上司が含まれてはならない。プログラムにはエラーが出るのは当たり前なことなので、人事評価に悪影響を及ばせないようにするためである。
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利用者教育
作ったワークシートの使い方や、各セルの内容の意味などを、利用者に教え、導入をスムースにできるようにする。
ここまでいけば、職場で十分通用するエクセルの数式、関数入りのワークシートはまず完成です。早速みんなで使ってみましょう。
職場において、重要なものとも見なされ、システム監査やトラブルがあっても、マニュアルを作成してあるので、焦ることもありません。
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